【実施報告】第5回外国籍県民相談等に関する研修会

1. 目 的:相談対応の向上等を含めた相談業務に必要なスキルの習得のため
2. 日 時:2021年 2月25日(木) 18:00~20:00
3. 開催形式:オンライン形式(ZOOM)での開催
4. 対 象:神奈川県内各市区町村の外国人相談窓口担当、国際交流協会、国際交流ラウンジ、NPO、教育関係者、市民団体、支援団体等
5.参加者:44名(あーすぷらざ多文化共生・情報課 職員4名含む)
6.講 師:横浜いのちの電話 外国語相談研修トレーナー 岩木 章子 エリーザ 氏
7.テーマ:「困っている人、悩んでいる人に寄り添う」
~相談者と相談員のメンタルヘルス~
8.内 容:
【講義】岩木 章子 エリーザ氏 :90分(途中休憩15分)
【質疑応答】:10分

9.成 果:
今年度最後の外国籍県民相談等に関する研修会は、「困っている人、悩んでいる人に寄り添う」と題し、昨今のコロナ禍や環境の変化のより心に問題に問題を抱えている外国籍住民の状況を知ると共に、相談時の心構えや相談者や支援者のメンタルヘルスを学ぶ機会として、横浜いのちの電話外国人相談研修トレーナーの岩木章子エリーザ氏を講師に迎えオンラインで開催しました。平日の開催にもかかわらず、相談スタッフ、NPO、医療・福祉関係者など、多くの方にご参加いただきました。またオンライン開催の特徴として、カナダやインドからの参加者も見受けられました。
冒頭、相談対応で一番大事にしている事として、相談者の心に寄り添うこと、相談者の話に心を傾けしっかりと聴くことの大切さ等についてお話しいただきました。続いて横浜いのちの電話の相談事業の概要では、相談件数はラテンアメリカからの移住と関連して推移していることや、近年は相談件数が減ってきている現状について、相談内容では以前は生活に密着した相談が多かったが、最近では心理・精神・人生についての相談が多く寄せられているとの説明がありました。続く相談対応の技術として傾聴についてのお話しがありました。参加者と一緒に共有したいテーマとして時間をかけて丁寧に説明されました。心を傾け相手の話を真摯に聞くことで相手との信頼関係が生まれる事や、相談対応の基礎になっていること等を始め、他にも傾聴の4つの段階や傾聴で用いる技術などを説明いただきました。日々の相談で心を閉ざした相談者との間に信頼関係を築きながら相談に向き合っている様子が感じられました。相談員も日々の相談業務でストレスを抱え込まないよう相談員のメンタルヘルスについてもお話しいただきました。講師からは、自己の視野を広げる、知識・研鑽を重ねる、グループ間での平等な立場での意見交換や情報提供、そして自身の心にも傾聴してみることがメンタルヘルスにつながるとのメッセージで講義を締めくくられました。
質疑応答では、講師から4つの質問にご回答いただきました。参加者からは、相談者への対応についての感心があるようで、実際に相談があった時にどう対応したらよいのか、また講義で触れた心の喪失や傾聴についての質問が寄せられました。
終了後のアンケートでは、16名から回答いただき大満足・満足の回答が87.5%でした。「様々な事例を紹介しながら話してくださったことと精神的なことに気をつけながら相談者と接するヒントをもらうことができたからです」「教員をしているのですが、学生のメンタルヘルスが気になっていたので参加しました。傾聴について自分でも勉強をしていきたいと思います」「病院で通訳する時、受診の前の待ち時間に自身の症状をずっと話す患者さんがいます。時間の余裕が無い時などは、話を遮ることもあります。今日のお話を聞かせていただいて、これからはもっと患者さんに寄り添う気持ちを常に忘れないようにしようと思いました」など、今回の研修会でそれぞれの職場などで共有したい内容や知識があったことが伺えました。

【当日の様子】