【実施報告】第1回外国籍県民相談等に関する研修会

1.目 的:相談対応の向上等を含めた相談業務に必要なスキルの習得のため

2.日 時:2020年6月25日(木) 18:00~20:00

3.実施方法:オンライン会議システムZOOMを使用

4.対 象:神奈川県内 外国人相談窓口関係者ならびに外国人支援活動団体、教育関係者等

5.参加者:75名 (相談員4名、社会福祉士1名、あーすぷらざ職員4名含む)

6.講 師:神奈川県行政書士会国際部 岩崎 裕子氏

7.テーマ:子どもたちの将来をサポートするための「在留資格」オンラインセミナー

8.内 容: 1.講義 :神奈川県行政書士会国際部 岩崎 裕子氏
     2.トークセッション :岩崎裕子 氏
       モデレーター 神奈川県行政書士会 笠間由美子 氏
        あーすぷらざ外国人教育相談 水本みゆき 氏

9.成 果:
これまで年5回顔を合わせる形で本研修会を実施していましたが、この度は新型コロナウイルスの影響で初めてのオンラインでの開催となりました。広報をメールやHPなどで行ったところ、毎回参加いただく県内地域の相談員や支援機関の方々だけでなく、今回はオンラインで実施ということで県内遠隔地や県外、海外からも、教員や日本語指導に関わる方など、定員を上回る方々から申し込みをいただきました。

第1回目のテーマは、今年に入り「家族滞在」の在留資格を持つ子どもたちの変更要件が緩和されたことから、子どもたちの「在留資格」にスポットを当て、神奈川県行政書士会・岩崎裕子氏を講師としてお招きしました。研修会の実施中にはチャットでの感想や質問を集めながら、最後には参加者からも口頭で感想をいただき、集合ではない形であっても参加者同士も顔が見え、横の繋がりを意識できるような環境にしました。

第1部では在留資格について、在留資格の分類、在留外国人の状況と進路選択への影響を丁寧に解説いただき、外国籍の子どもたちをサポートする人の視点でお話をいただきました。後半には事例をあげて参加者にも考える機会が与えられ、子どもへの今後の将来を考えるためのヒアリングのポイントについても話があり、多くの質問がチャットで寄せられたことから、参加者が抱えているケースが共有でき関心の高さが伺えました。「複雑に感じる在留資格について、子どもたちに関わることに絞ってお話しいただいたのでわかりやすかった。」「変更された在留資格について詳しい説明があり、理解が深まった。」「支援する側も制度の変化を一早く知ることがとても大切だと思います。」といった感想が集まりました。

第2部では、あーすぷらざ外国人教育相談でコーディネーターとして子どもたちと関わっている水本みゆき氏と、モデレーターとして県行政書士会国際部 笠間氏を加えてのトークセッションを実施しました。第1部の講義から引き続き、日々どんな視点を持つことが必要なのかというポイントを振り返りながら、現場でのケースが紹介されました。「早期発見、早期対応」、「普段から接している人たち」「専門家との繋がり」など、大事なキーワードを確認しながら進め、最後には各役割を担っている「日本語支援関係者」「企業」「学校関係者」「地域の相談員」からも感想をいただきました。「早いうちから保護者や子どもたちの意識を高めていく助けになる」「採用する上で企業側でも意識を持たないといけない」との声があり、関係者の連携を意識し様々な視点を持って、子どもたちの在留資格とその進路・就職に繋げることの大事さが伝わったようでした。

その他参加者からも、「在留資格が外国につながりを持つ子どもたちにとって、日本で生きていくこととイコールだということを認識できた」「長期的な展望で戦略的に動くことがどれほど自由を得るために重要かがわかった」といった意見が寄せられ、アンケート集計結果としても全体の満足度は評価の平均 4.38/5と、かなり満足度が高いことが伺えました。事前・研修会時・アンケートに出た質問に対しての回答を講師に作成いただき、それをアフターフォローとして参加者へ送付しました。さらに、当日は参加が出来なかったがぜひ視聴したいという声も多く寄せられており、当日の資料、当日研修会の録画映像を合わせて希望者に共有することで、より多くの方にこの在留資格の現状を届け、今後の支援に役立てていただく予定です。

講師の先生方のおかげで、多くの方にご参加いただき講義とセッションを行いつつ参加者との双方向のやり取りも行うことで、オンラインでの強みやメリットを生かした研修会を実施出来たと感じています。おかげさまで、様々な地域で、在留資格と子どもに関する課題や問題と向き合いながら日々活動されている参加者の現状を主催者側も含めて認識することが出来たことも非常に大きな収穫になりました。研修会の実施目的として、知識やスキルアップだけでなく、専門家など含めた地域の繋がりを強めていくことが開催目的であるため、今後も多くの方にご参加・ご協力いただきながら、ニーズに合った形で研修会を実施していきたいです。