【実施報告】日本語学習者・支援者のための集い2020年度

「日本語学習者・支援者のための集い」は、日本語学習支援者同士の顔の見える関係性の構築や、更に支援者と学習者との出会いの場になればとの目的で、2017年度より実施している事業です。

2020年度は、令和元年に日本語教育推進法が公布・施行され、翌年にはその方針も定められたことから、~相互理解のコミュニケーションから新参照枠まで、これからの日本語学習支援について考える~と題し、施策設計者である文化庁国語課専門職の皆様からお話を伺いました。具体的には、「日本語教育の参照枠」「日本語学習サイト」「やさしい日本語」についての講演を通して、地域で暮らす外国につながるの方への支援の在り方を模索しました。

日      時 :2020年12月19日(土)10:00~16:00
開催形式 :オンライン(「ZOOM」利用)
参加者    :72名(地域日本語教室の支援ボランティア、国際交流協会職員、自治体職員、学校での日本語指導者及び国際教室担当者、日本語教育研究者、日本語学習者など)

実施内容:
【午前プログラム】
■「文化庁日本語教育施策説明」
説明者 増田麻美子氏 文化庁国語課日本語教育調査官
■「『日本語教育の参照枠』が目指すこれからの日本語教育~言語教育観とCan doを中心に~」
講師 松井孝浩氏 文化庁国語課専門職(日本語教育担当)

【午後プログラム】
■「日本語学習サイト つながるひろがるにほんごでのくらしを使って~地域に暮らす学習者に寄り添った活動づくり~」
講 師 北村祐人氏 文化庁国語課地域日本語教育推進室 専門職
■「やさしい日本語で伝えてみよう 在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインを参考に」
講 師 増田麻美子氏 文化庁国語課日本語教育調査官

当日の様子:(ZOOM画面)

 

 

 

 

参加者の声(一部抜粋):
・私は地域日本語教室で学習支援や生活の支援をしておりますが、文化庁が地域日本語教育に更に力を入れていることがよくわかり、活動していく上でとても勇気を頂きました。
・Can do についてあまり知識がありませんでしたが、本日の講義で Can do のレベル等詳細がよくわかりました。これまでは「できること」に焦点を当てた授業を行っていなかったことに改めて気づきました。今後は「できること」に焦点を当てた授業に変更していきたいと思います。
・日本語教室へのアクセスが難しい場合や、現在のように対面での活動が難しい場合でも利用できるツールだと思いました。システムの作りや作成意図を伺えたのは良かったです。
・「聞き取りやすく読みやすい日本語を使った情報の発信を希望する外国人は 7 割…」のグラフを見たとき、驚きつつも、やはりと、納得しました。私は日本語教師ですから、日本語を教えることが仕事ですが、日本語を話さない人と接することに慣れている私たちができることがあると、日本語教師の新しい役割を見つけた気がします。
・これほどの内容を伺うことができ、大変満足しております

全体を通して、どの講師の方のお話も施策や成果物をどう活用して欲しいのかが伝わる、非常に現場感のあるご説明でした。特に最後に増田先生が仰った「外国人の命を守るため」という言葉に強いメッセージを感じました。文化庁の皆様に熱意を頂き、オンライン形式ながら最後は会場に一体感が生まれた会となりました。
あーすぷらざでは今後も日本語学習支援や多文化共生に焦点をあてたイベントを開催していく予定です。

★なお、今回のイベント開催に合わせ「あーすぷらざ 映像ライブラリー&情報フォーラム 蔵書検索」内に当日の講義で言及のあった施策の関連資料をブックリストとして公開しています。
「【日本語学習者・支援者のための集い】関連図書」
また、昨年リニューアルした蔵書検索システムでは、「日本語教材(外国人サポート資料)」×「言語」の検索ができるようになり、外国につながる方とその支援者により使いやすくなりました。
「詳細検索」よりお調べいただけます。こちらもぜひご活用いただければ幸いです。