【実施報告】2022年7月18日「子どもの学びを考える~多文化子育ての経験を通してわたしが感じたこと~」

   
 本研修会では、多文化共生社会のための教員養成を研究されている、関東学院大学経済学部教授の細谷早里氏を迎え、講演会とパネルディスカッションを実施しました。神奈川県内の外国につながる子どもたちの状況は、年々多様化しており、多文化環境で育つ子ども達への支援や、保護者への支援の必要性も高まってきています。そこで、神奈川県外国籍県民相談窓口にて相談員をしている5名のパネリストに、自身の多文化子育てについてお話しいただき、ルーツのある国や文化、言語によって様々な課題があることやアイデンティティを大切にすることでどのような子どもたちの学びを引き出していけるのか、ということをテーマに選定しました。
 
 講演会では、外国につながる子どもの支援についてお話しいただきました。アイデンティティを大切にし、学び合う姿勢を身につけることが支援の目標につながることや、支援者として、外国につながる子どもの多様性をポジティブにとらえ、それを言葉にして伝えていくことが大切であること、など講師よりお話しいただきました。また、「私たちは外国につながる子どもをどう見ているでしょうか」という問いかけから、改めて「対等」であることを考え直し、彼らが活躍できる場をつくる『活躍支援』をしていきましょう、と参加者へ呼びかけてくださいました。
 
 パネルディスカッションでは、子育てで大切にしたことや、学校で戸惑ったこと、学校の先生に助けられたこと、子どもの進路のこと、といったファシリテーターの細谷氏からの質問に対して、それぞれのパネリストから自身の経験を交えてお話しいただきました。絵本の読み聞かせをして母文化や母語を伝えてアイデンティティを大切にしていること、スキンシップや母語による愛情表現で子どもとの関係を築いてきたことなど、パネリストそれぞれの想いが伝わる子育てエピソードの数々でした。
 
 また、子どもが何をしたいかを大切にしてくれ、「あなたはできる」と向き合ってくれた先生、プリントにふりがなを振り、個別に電話で大切な連絡をしてくれた先生、保護者も巻き込んで授業を作ってくれた先生、PTAの役員を一緒に引き受けてくれたママ友、といった、身近で支えてくれた人との出会いのエピソードは、支援者として外国につながる子どもや保護者と関わっている参加者の皆さまの日々の支援へのヒントとなったのではないでしょうか。
 
 
 感染拡大が心配な中での対面開催ではございましたが、閉会後、パネリストと参加者同士の多くが残り、交流の機会ともなりました。
 ご来場いただいた皆様、ご参加いただき誠にありがとうございました。
  

    1. 目 的:相談対応の向上等を含めた相談業務に必要なスキルの習得のため、複雑化、専門化する相談内容に対応するための各関係機関との支援体制作りのため
    2. 日 時:2022年 7月18日(月)13:00~15:00
    3. 開催形式:あーすぷらざ 5階映像ホール
    4. 参加者:53名(講師・あーすぷらざ職員4名含む)
    5. 講 師:細谷 早里氏 関東学院大学 経済学部教授
    6. パネリスト:トルオン ティ トゥイ チャン(ベトナム)、豊田 ユリ(ペルー)
      髙橋 メラニー(フィリピン)山下 ジューリア 真由美(ブラジル)
      田中 圭(日本 ※アメリカで子育て)
    7. テーマ:「子どもの学びを考える~多文化子育ての経験を通してわたしが感じたこと~」
    8. 内 容:①講義 :30分 ②パネルディスカッション:90分
  •  
     

     
    なお、今回パネリストとして登壇した皆さまは当館相談窓口にて相談員としてご活躍いただいています。当、外国籍県民相談窓口も、ぜひご活用ください。
    外国人一般相談・法律相談 横浜あーすぷらざ窓口
    あーすぷらざ 外国人教育相談
    ◆Facebook「earthplaza.soudan」 フォローもお願いします

 

★次回のイベント:『なりたい自分 いまの自分 ~「いまの自分」を見つけた先輩たちのお話~』
【対面】×【オンライン(zoom)配信】ハイブリッド開催! 外国につながる若者のキャリア応援プロジェクト
日時:2022年8月21日(日)  14:15受付開始 14:30開始
会場:神奈川県立地球市民かながわプラザあーすぷらざ 2階プラザホール
住所:横浜市栄区小菅ヶ谷1-2-1(JR根岸線「本郷台」駅 徒歩3分)