【実施報告】2023年度 第5回 外国籍県民相談等に関する研修会

 

 
外国につながる子どもたちへのキャリア支援の方法やその現状について学び、当館の外国籍県民相談窓口に寄せられる相談に対し、より幅広く対応できるようにしたいと考え、2023年度 第5回 外国籍県民相談等に関する研修会「相談員向け 外国につながる高校生・若者へのキャリア支援のいま」を実施しました。

 
講義では、社会福祉法人青丘社 事務局長(多文化事業担当) 原 千代子 氏を講師に迎え、青丘社の成り立ちや外国につながる子どものための学習サポートなどの支援活動についてお話しいただきました。また、高校の多文化教育コーディネーターとして原氏が目にした「進路・将来への夢を見いだせないまま、学習や学校生活にモチベーションが持てない生徒」や、「経済的な問題・在留資格の壁など困難に直面する生徒」がいる現状を教えていただきました。そのような現状の中、神奈川県で主に外国につながる学生の悩み相談や勉強指導の活動をしているボランティア団体「The Lit Zone Beside」と協働し、高校への出前相談やワークショップなど先輩と相談者を繋ぐ活動を始めたことについてもお話しいただきました。さらに、これらの活動を通して、実際に日本で自分と同じ悩みや不安を抱きながら、キャリア形成を行ってきた先輩の姿が相談者にとって良い刺激となっていることをご報告いただきました。

質疑応答・意見交換では、はじめに、事前に収集した事前質問を紹介し、その問いについて原氏よりご回答いただきました。次に、参加者の中から「日本では、学校を卒業してすぐに社会人にならなければならないような節があるが、それぞれの若者が社会に出ていけるタイミングは必ずしも同じではなく、いろいろなタイミングを許容できる社会をつくっていかなければならない」という意見が挙がりました。その後も原氏と参加者で意見交換を行い、有意義な時間となりました。

最後に、原氏よりまとめとして、「彼ら自身がやりたいことを出来るように考えること」や「多様性も大事だが、うまくコースにのれない若者もいるということへの理解」の重要性が提言されました。さらに、「短期間で人が変わることは難しく、時間をかけて関係性をつくっていくことを忘れてはいけない」ということにも触れられ、長きにわたり、外国につながる子どもたちに幅広い支援を行ってきた原氏ならではの視点でお話しくださいました。

この度ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。今後も皆さまからいただいたご意見を反映し、研修会やイベントを設けたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

1.  目 的:相談対応の向上等を含めた相談業務に必要なスキルの習得及び、より複雑化、専門化する相談内容に対応するための各関係機関との支援体制作りのため。

2. 日 時:2024年 2月14日(木)18:00~19:30

3. 会 場:あーすぷらざ(オンラインZoom開催/中継会場:応接室)

4. 対 象:神奈川県内各市町村の外国人相談窓口担当、神奈川県内国際交流ラウンジ、NPO、市民団体、支援団体 他

5. 参加者:19名(講師1名、あーすぷらざ職員4名含む)

6. 講 師:社会福祉法人青丘社 事務局長(多文化事業担当) 原 千代子 氏

7. テーマ:「相談員向け 外国につながる高校生・若者へのキャリア支援のいま」

8. 内 容:①講義 60分(途中休憩10分含む)②質疑応答・意見交換 30分
 

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