【実施報告】あーすぷらざ多文化共生オンライン出前講座(玉川大学 教職実践演習) 実施報告

教職免許の必修授業「教職実践演習」を履修している玉川大学教育学部の4年生を対象に出前講座を行いました。受講生の多くは来年4月から教壇に立つ方です。講座では、外国出身の保護者でもある相談スタッフ(スペイン語担当)の体験談、「登校初日に何をする?」を考えるワークショップを行いました。また社会資源としての「あーすぷらざ」と「外国人教育相談窓口」や教材等の資料をご紹介し、外国につながる子どもたちと保護者のサポートについて共に考えました。

日時:2020年12月12日(土)13時00分~14時50分
(うち実質講演時間:13時10分~14時30分)
実施方法:オンライン
参加者:145名(大学4年生)※8クラス合同
実施内容:教職実践演習‐テーマ『地域の教育資源と連携』
・外国につながる子どもたち・保護者と関わるにあたって~ワークと体験談を通して~
・あーすぷらざ、外国人教育相談、外国につながりのある児童生徒の現状
・参考になる資料・教材、活用できるリソース

講師:あーすぷらざ外国人教育相談担当職員        木村智子
外国人教育相談サポーター(スペイン語/ペルー出身)  豊田ユリ  以上2名

教育実習やボランティア活動などで、既に外国につながるお子さんに出会ったことのある受講生がたくさんいらっしゃいました。

▲グループワークに取り組みました

ワーク「登校初日にどんなことをする?」では、以下のようなアイデアが寄せられました。
「学校探検をする。初日に入ってきた外国の子供は初めての場所に来ることだけで精いっぱいで、たくさんのことを求めたくなかったので、受け入れるクラスでカードを作ったり、準備をしたりして学校のことを教えてあげるといいと思う。」
「クラスの装飾をその子の出身地仕様にする。家庭科、学活等でその国の食を体験する。」
「言葉によるルール説明がなくても分かるゲームをクラスでやってみて、“日本語を使わなくても楽しいよ!”という印象、安心感がもてるようにする」
「総合の時間などを活用し事前に調べ学習を行い、相手の言葉で“こんにちは”を言えるようにする」                                                                                   など
様々な、優しい気持ちのこもったアイデア、視点があり、あたたかな気持ちになりました。

 

▲ペルー出身の豊田ユリサポーターからのお話では、相談者の「わからなさ」に寄り添うことがキーワードとしてあげられました。入試における「すべりどめ」や「併願」、障がいのあるお子さんのサポートで出てくる「療育手帳」といった言葉は、言葉だけを直訳しても分からないため、母国と日本の制度や文化の違いを踏まえながら説明することを大切にしています。

豊田サポーターの体験談では他にも、「宿題は、保護者がサポートできることが前提になっているのではないかと感じた。子どもが本当に宿題をやっているかどうか分からないし、子どもの言うことを信じるしかない」、「子どもは馴染んでいるように見えても、細かな持ち物、たとえば周りの子はすごく可愛い鉛筆を持っているけれど自分はそうではない、など、小さな違いが実は気になっていたのだと、本人が大きくなってから話したこともあった」、など、様々な実体験やお気持ちをお話しくださいました。

最後に、あーすぷらざ外国人教育相談のご紹介、相談事例、教材や活用できる資料をお伝えしました。
卒業された後も、また皆さんから現場の様子を聞かせていただいたり、気軽にご相談にきていただけたりすると嬉しいなと思っています。

【受講生の声】
・本日はありがとうございました。講義の概要を見たときに「自分は英語もほとんど話せないから、もしクラスに外国籍の子が転校してきたらどうしよう」と思いました。「一人で抱えこまず周りの力と出会いを大切に」という言葉をいただき、「そうか、周りを頼ればいいのか」と少し安心しました。もう少しで東京から地元に戻ってしまうため、もっと早くにあーすぷらざのことを知りたかったなと思います。東京にいる間にぜひ一度、見学をさせていただきたいです。
・「登校初日に何をする?」のグループワークでは、まずは子どもと教員とで1対1でよく話し合ってその子のことを知るという他の受講生の意見が印象に残りました。自分の考えとしては、言葉の壁があるかもしれないため、まずは言葉を使わないでもできるゲームをし、子ども同士の中を深めるという方法を考えました。
・自分が着任予定の地域でどの地域出身の方が、学校での支援体制はどうなっているか調べたいと思いました。
・自分が教壇に立つ前というこの時期に、教師になってから実際に体験するかもしれない”困り”を想定して、学ぶことができた、貴重な時間でした。

あーすぷらざでは、このような出前講座を有料で実施しています。
これからも教育学部等の学生向けの出前講座として、今回の内容のような講座を実施し、共に外国につながる子どもたちへの教育を考えていく機会をつくっていきたいと考えています。
詳細については、あーすぷらざ多文化共生・情報課 045-896-2896/tabunka@earthplaza.jp 出前講座担当までお問い合わせください。

<出前講座詳細ページ> https://www.earthplaza.jp/ep/educators/demae.html

また、あーすぷらざ外国人教育相談の詳細や、外国にルーツのある子どもたちのためのサポート資料については、以下からご覧いただけます。
https://www.earthplaza.jp/ep/forum/foreign_education/index.html
◆相談時間 10:00~13:00、14:00~17:00(受付は16:30まで)
◆ことばと相談日
タガログ語/火曜日、 ポルトガル語/水曜日、 中国語/木曜日と土曜日、スペイン語/金曜日、やさしい日本語/火曜日から土曜日
※祝日はお休みです
◆相談方法(予約不要)
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・メール  Email:soudan1@earthplaza.jp
※返信には、お時間をいただきます。

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